米韓ＦＴＡ再交渉へ

アメリカと韓国、FTAの再交渉に入る見通し

・米国と韓国の自由貿易協定（ＦＴＡ）が再交渉に入る見通しとなった。
・４日、ワシントンで行った協議で修正に事実上合意した。
・トランプ米政権はカナダ、メキシコとの北米自由貿易協定（ＮＡＦＴＡ）に続き、
　協定破棄をちらつかせて再交渉入りを押し切った形
・米韓ＦＴＡはオバマ前政権の２０１２年に発効。
・発効後、「対韓国の貿易赤字が倍増した」として、今年６月の米韓首脳会談で再交渉を要請していた。
・８月の協議では、韓国が再交渉に応じない方針を示した
・トランプ政権内で米韓ＦＴＡを破棄すべきだとの強硬論が浮上。
・米メディアによると、最近もトランプ氏は破棄を辞さない構えを見せていた
・対外強硬派のナバロ通商製造業政策局長が影響力を保っている
・米通商代表部（ＵＳＴＲ）のライトハイザー代表は４日の協議終了後、「公正で互恵的な通商関係に向け、早期の協議を期待している」
・両国はそれぞれ国内手続きを経て、交渉内容を詰める見通し。
・トランプ政権は自動車や農産物の市場開放を求めるとみられるが、協議は難航しそうだ
・トランプ政権はＮＡＦＴＡを再交渉中で、中国にも市場開放を迫っている
・日本との通商協議を求めており、トランプ政権が日本にも強硬姿勢を示す恐れがある
・ＵＳＴＲはまだ陣容が整っておらず、米韓交渉が先行することで、日本との交渉が後回しになる可能性もありそうだ
・米国内では、北朝鮮情勢が緊迫化する中、韓国との関係を悪化させかねない再交渉を疑問視する声
・ＴＰＰは日米が主導して地域の通商ルールを設定することで中国をけん制する狙いがあり
・トランプ政権では「アジア戦略がまだ存在せず、特に通商問題はトランプ氏が自分で判断している。相当な先行き不透明感がある」（元ＵＳＴＲ高官）

・韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）改定交渉に事実上合意し、韓国産業界が緊張している。
・米国が貿易赤字の主犯と見なす自動車業種は最悪の場合、対米輸出量に対する関税と相殺関税賦課などで打撃を受けることを強く懸念する雰囲気
・ＦＴＡ締結前の貿易条件復元は韓国自動車業界が最も恐れる改定交渉シナリオ
・韓国自動車に対する関税（２．５％）を２０１２年の協定発効後２０１５年まで４年間維持し、２０１６年に廃止した。したがって現在、韓国から米国に輸出される自動車は無関税だ
・日本・欧州産自動車（２．５％関税率）自動車に比べて関税の面で有利な状況
・ＦＴＡ改定交渉過程で関税が復活すれば、それだけ米国輸出用韓国車の価格競争力も落ちる
・韓国自動車の輸出不振が続く、再起自体が難しいという見方も業界から出ている。
・現代・起亜車の場合の米国販売のおよそ半分が米国現地生産でなく韓国で生産されて米国に輸出される
・関税が復活すれば輸出はさらに苦戦する
・現代・起亜車の輸出全体のうち米国市場の比率は「３分の１」
・ある業界関係者は「現在のところ韓米ＦＴＡ改定交渉がどのように進むのか予想しにくい」とし「まだ改定交渉が公式的に始まっていないため状況を眺める必要がある」と話した。
・両国の関税が復活すれば米国も不利な状況を迎える。
・昨年、韓国市場の輸入車は前年比８．３％減となったが、米国車は２２．４％も増えた。

・米韓の当局者はワシントンで協議。ＦＴＡの見直し方法を巡り、双方の見解は分かれた。
・産業通商資源省は声明で「両政府は、ＦＴＡによる相互利益を拡大するため、ＦＴＡを修正する必要性を認識した」と明らかにした
・米政府は、米韓ＦＴＡの履行を巡る問題の解決と、公正かつ互恵的な貿易につながる協定の修正に向けた本格協議に期待していると語った。

＜参考記事＞
＜米韓ＦＴＡ＞再交渉へ　トランプ米政権が押し切る：Yahooニュース
韓米ＦＴＡ改定交渉に自動車業界「緊張」：ライブドアニュース
米韓ＦＴＡ、双方が修正の必要性を認識＝韓国政府：エキサイトニュース
米韓、ＦＴＡの再交渉を事実上合意　年内にも開始：産経ニュース